中国人に絶対負けない交渉術

吉岡健著/草思社/2007年2月1日/1200円(税別)

<目次より>
はじめに:中国人と互角にわたりあうために

1章:中国人とはこんな人たち
 付き合いの基本は「和して同せず」
 名誉よりカネ、質より量
 チームワークが苦手。自己本位で生きる
 日本人は「平等、平等」と叫ぶ不思議な人々(と中国人は思っている)
 「三人寄れば、(中国では)内ゲバが始まる」
 保守的な北方人、進取の気性に富む南方人
 北京人、上海人、広東人、福建人、東北人はどんな性格?
 上海「ママさん」の「サクセス・ストーリー」
 この人たちは、こんなふうに行動する
 コラム:「食は中国にあり」は本当か(いや、日本のほうがすごい!)
     毛沢東の女性スキャンダル(英雄、色を好む?)
     死者のバックを盗む(死者に鞭打つのが平気な中国人?)

2章:開放経済は問題だらけ
 1に軍事、2に外交、3に経済(の中国)
 ネコの目のように変わる「暫定法規」(に注意!)
 「ツルの一声」でも金融システムは確立できない?
 カネは血よりも濃い?苦しむ台湾企業(台湾企業も中国では苦戦している)
 牢屋に入ることを志願する失業者
 WTO加盟で国際ルールが守れるか(無理だろう?)
 ニセ札、ニセ・ブランド、治安の悪化
 優秀な人材は(外国へ)往きて(中国へ)帰らず
 発展から取り残された8億(以上)の農民
 コラム:中国の国民は日本のODAを知らない(中国政府は国民に知らせていない)
     わがままな「小皇帝」(一人っ子)が社会にでると・・・(まだ、日本のほうがましか?)
     中国のトイレ事情は相変わらす(都会の表どおり以外は悪い)

3章:中国人に絶対負けない交渉術・・・大変、参考になります!
 中国人との交渉12か条
  (1)中国側の意見を先に言わせる
  (2)正式な会議の席以外で、こちらの考えを言ってはならない
  (3)美辞麗句は無視する
  (4)「これはみんなの考えです」と前置きする
  (5)軽い気持ちで「すみません」といってはいけない
  (6)議論は具体論で行うこと
  (7)発言は単純明快、論理的に行うこと
  (8)感情を廃し、冷静に対応すること
  (9)譲歩すべきではないことは絶対に譲歩しないこと
  (10)無理な結論は出さずに逃げること
  (11)自らの責任を中国側に認知させよ
  (12)二重三重に対応策を立てておく
 対中ビジネス50年の本音語録(参考になります)

4章:合弁事業を成功させるには(実践編)
 成否が5分5分だったら進出を諦める
 どんなところで失敗してしまうのか
 トラブルが起きたら、誰に仲裁してもらう?
 リース債権の回収には泣かされました
 F/S(実現可能性調査)では何に注意すべきか
 ノウハウ料、ロイヤルティを理解してもらえない
 合弁企業を軌道に乗せるためには?
 契約書、就業規則はここがポイント
 付:合弁契約書ホーム(製造企業用)
   従業員守則および労働管理規定(要点)
 コラム:「13億市場」は幻想である
     借りたカネは貰ったカネ(もう、中国は信じられない?!)
     法治主義は万能ではない

おわりに:中国は永遠の隣国です

 ビジネスで中国に出かける前に必須の本ではないか。ここまで割り切って付き合わなければならないのかということを、これでもかこれでもかと事実と長年の経験に基づいて説明していて、大変わかりやすい本である。
 中国に進出している中小企業の経営者は、今からでも遅くないので、読むべきではないか。

(2007年2月25日)