カタール国
(State of Qatar)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年6月現在)

一般事情

1.面積

11,427平方キロメートル(秋田県よりもやや狭い面積に相当)

2.人口

約170万人(2011年/カタール統計庁)

3.首都

ドーハ

4.民族

アラブ人

5.言語

アラビア語

6.宗教

イスラム教

7.略史

 18世紀から19世紀にかけてクウェート、アラビア半島内陸部の部族がカタールに移住したことにより、現在のカタールの部族構成が成立した。その後1916年に英国の保護下に入る。1968年英国がスエズ以東から軍事撤退を行う旨宣言したことにより、1971年9月3日、カタールは独立を達成した。

政治体制・内政

1.政体

首長制

2.元首

シェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニ

3.議会

 首長が指名する35名のメンバーで構成される諮問評議会(立法権のない首長の諮問機関)が存在する。将来的には、30議席を国政選挙により選出された議員から、15議席を首長により任命された議員からの計45名で構成され、法案提出等一定の立法権限を有する諮問評議会の設立を目指している。

4.政府

(1)首相兼外相名 シェイク・ハマド・ビン・ジャーシム・ビン・ジャブル・アール・サーニ

5.内政

(1)1995年6月27日、無血クーデターによりハマド皇太子が新首長に就任。基本法を改正して「父から息子への政権継承」を明文化し、1996年10月ハマド首長3男ジャーシム殿下を皇太子に指名したが、同殿下の退位の意向を受けて、2003年8月、4男のタミーム殿下を新皇太子に指名した。

(2)ハマド首長就任後、自由化・民主化を推進。2003年4月には三権分立を定めた恒久基本法を国民の信任投票で採択した(18歳以上の男女が投票)。

(3)サーニ家を中心とした政権基盤の強化。

(4)ポスト石油に備えた産業開発、輸出産業育成(ガス開発、石油化学、化学肥料、製鉄、セメント産業等)。

(5)教育の充実、高度な社会福祉制度の見直し。

外交・国防

1.外交基本方針

(1)全方位外交を標榜しつつも、安全保障、経済面で不可欠である対米関係を重視。但し、自国の安全保障を確保する上で重要性を有するイランに対しては友好関係を強化しつつ慎重な外交を展開。

(2)レバノン諸派間の対話仲介、イエメン紛争当事者間の停戦合意、スーダン・ダルフール問題の仲介努力、ジブチ・エリトリア間の仲介等、地域・国際問題の平和的な解決の実現に向け積極的な外交を展開。

(3)中東和平問題に関し、イスラエル・パレスチナ間の意思疎通にも一役かっており、同問題の平和的解決を支持している。湾岸諸国の中では唯一イスラエル通商代表部が置かれていたが、2008年末から2009年初頭にかけてのイスラエルによるガザ侵攻を受け、2009年1月に閉鎖。

(4)小国であるという点を克服するための努力の一環として、地域・国際問題の仲介努力、各種国際会議のホストやスポーツ大会の開催等を積極的に推進し、カタールという国の存在を国際社会にアピールすることに注力。2022年のFIFAワールドカップ開催国。

2.軍事力

(1)予算 17億5千万ドル

(2)兵役 志願制

(3)兵力 11,800人(陸8,500人、海1,800人、空1,500人)

 (2008年/ミリタリーバランス)

経済

1.主要産業

(1)石油

(2)天然ガス

(2010年/BP統計)

2.GDP

約983億ドル(2009年/IMF)

3.一人当たりGDP

59,990ドル(2009年/IMF)

4.GDP成長率

8.6%(2009年/IMF)

5.総合物価上昇率

-4.9%(2009年/IMF)

6.予算(2011年/カタール財務省)

(1)歳入 38,212百万ドル

(2)歳出 38,437百万ドル

7.総貿易額(2009年/カタール中央銀行)

(1)輸出(FOB) 48,306百万ドル

(2)輸入(FOB) 24,922百万ドル

8.主要貿易品目(2008年/カタール統計庁)

(1)輸出 石油、天然ガス、石油化学製品

(2)輸入 自動車、電気ケーブル、チューブ、導管

9.主要貿易相手国(2009年/カタール統計庁)

(1)輸出 日、韓、シンガポール

(2)輸入 米、中、独

10.通貨

カタール・リヤル

11.為替レート

1米ドル=3.64カタール・リヤル(固定レート)

12.経済概要

(1)政府主導型経済であり、国内経済は政府歳出に、政府歳入は石油・天然ガス収入に大きく依存。ポスト石油の国家収入源としてノース・フィールド天然ガス田(世界最大級)開発(LNG・GTL等)を積極的に推進。

(2)財政支出軽減のために民営化に取り組むとともに、石油・天然ガス依存型経済からの脱却のための産業育成を推進。

(3)国内労働力は外国人労働者に大きく依存(カタール人は約30万人程度)。人口増加に伴う若年層の雇用機会の確保と外国人労働力に依存した構造からの脱却を狙って、政府はホワイトカラーの自国民化を掲げ、エネルギー・工業分野の国営企業においては2005年末までに従業員の50%をカタール人とする目標を達成。

経済協力

日本の援助実績

カタールのDACリスト・パートIからパートIIへの移行に伴い、1998年度をもって日本はODAによる援助を終了。

(1998年度までの累計)

(1)有償資金協力 なし

(2)無償資金協力 2.64億円
(1989年度、災害緊急援助〈安全航行援助施設設置協力〉)

(3)技術協力実績 10.72億円

二国間関係

1.政治関係

(1)1971年、カタール独立を承認。1972年、大使館設置(在クウェート大使兼任)。1974年、在カタール日本大使館(実館)設置。カタールは、1973年、在京大使館を開設。

(2)1978年、日本国総理大臣として福田総理大臣が初めてカタールを訪問。

(3)1984年のハリーファ首長訪日を契機に、合同委員会(外務審議官・次官級)の設立に合意する等、両国関係は着実に発展。合同委員会は以降、1985年、1988年及び1999年の計3回開催。

(4)1999年4月、ハマド首長が訪日。

(5)2001年1月、日本国外務大臣として河野外務大臣が初めてカタールを訪問。2月に政務協議を開催(東京)。

(6)2004年6月、ハマド・ビン・ジャーシム第一副首相兼外相が訪日。

(7)2005年6月、ハマド首長・モーザ首長妃が訪日。

(8)2006年4月、日カタール合同経済委員会(閣僚級)が発足。以後、毎年開催され、両国のエネルギー・経済問題を中心に協議。

(9)2007年5月、安倍総理大臣が総理大臣としては29年ぶりにカタールを訪問。

(10)2009年5月、タミーム皇太子が訪日。

(11)東日本大震災を受けて、カタール政府は1億ドルの資金提供及びLNG・LPGの対日追加供給を表明。

2.経済関係

(1)対カタール貿易(JETRO)

(イ)貿易額(単位:百万ドル)
2000 2001 2002 2003 2004 2005
日本の輸入 5,879 6,057 5,243 6,496 7,876 10,303
日本の輸出 289 306 370 473 592 1,171
2006 2007 2008 2009 2010  
日本の輸入 14,814 16,942 26,233 15,940 21,627  
日本の輸出 1,460 1,842 2,010 1,630 1,134  
(ロ)主要品目
輸入 石油、LNG、石油化学製品
輸出 自動車、電気機器、機械、鉄鋼

(2)日本からの直接投資
2004年度末迄の累計:3億9千100万ドル

(3)2005年4月1日、関西・ドーハ間にカタール航空直行便が週4便で就航。以降、週7便まで増便し、2010年4月26日からは成田・関西・ドーハの路線で週7便を運航。

3.文化関係

(1)1992年2月、日本文化紹介行事開催。また、1998年10月、「カタール日本週間」を開催。他方、1999年4月、ハマド首長訪日に際し東京にて、カタール紹介行事を開催。2003年9月、東京にてカタール人画家アリ・ハッサンの個展を開催。

(2)1987年以来、日本関連書籍をカタール国立図書館、カタール大学図書館等に寄贈。

(3)2005年の「愛・地球博」にカタールが参加、カタール館には数百万人が来館。

(4)その他、空手・柔道・サッカーチームの派遣等のスポーツ交流、茶道、華道、日本舞踊、能、和太鼓等の各種日本紹介行事を実施。

4.在留邦人数

1219人(2010年10月)

5.要人往来(1978年以降)

(1)往

年月 要人名
1978年9月 福田総理大臣
1986年1月 藤尾政調会長(特使)
1987年1月 藤井大蔵政務次官
1994年11月 皇太子同妃両殿下
1994年12月 木部衆院議員、近藤衆院議員
1997年11月 平林外政審議室長(総理特使)
2001年1月 河野外務大臣
2001年11月 平沼経産相、武部農林相、植竹外務副相(第4回WTO閣僚会合)
2003年5月 与党三幹事長一行訪問(山崎自民党幹事長、冬柴公明党幹事長、二階保守新党幹事長、中谷元防衛庁長官)
2005年3月 河井外務大臣政務官
2005年4月 二階衆院議員、冬柴公明党幹事長
2005年11月 尾身衆議院議員、奥野衆議院議員、小林経産政務官
2006年1月 久間自民党総務会長、高村衆議院議員
2006年3月 西村衆議院議員
2006年4月 山中外務政務官
2006年4月 二階経済産業大臣、遠山外務政務官(第10回IEF参加)
2006年5月 麻生外務大臣(第5回ACD外相会合)
2006年7月 自民党EPA・FTA特命委員
2006年10月 有馬政府代表
2006年12月 小池内閣総理大臣補佐官、山崎衆議院議員
2007年2月 伊藤衆議院議員
2007年3月 小池内閣総理大臣補佐官
2007年5月 安倍総理大臣
2007年7月 田中財務副大臣
2007年8月 衆議院政治経済事情調査議員団
2007年11月 小池衆議院議員
2008年2月 松浪文部科学省副大臣
2008年4月 小池衆議院議員
2008年4月 秋元防衛大臣政務官
2008年5月 谷口総務副大臣
2008年5月 奥田内閣特別顧問(総理特使)
2008年11月 御法川外務大臣政務官
2010年1月 松下経済産業副大臣
2010年5月 河野衆議院議員
2011年1月 徳永外務大臣政務官(BMENA構想第7回未来のためのフォーラム)

(2)来

年月 要人名
1984年4月 ハリーファ首長(国賓)
1985年4月 スヘイム外相
1989年2月 アハマド外務担当国務相(大喪の礼参列)
1990年11月 ムハンマド前教育相(前首長の実弟)(即位の礼参列)
1991年2月 ムハンマド財政・石油次官(前首長の4男)
1992年10月 スベイ水電気相
1993年4月 ハマド・ビン・ジャーシム外相(外務省賓客)
1993年5月 アティーヤエネルギー・工業相(外務省賓客)
1994年1月 ナイーミー皇太子法律顧問(AALCC出席)
1994年5月 アティーヤエネルギー・工業相
1994年11月 アル・マナ運輸・通信相(大阪ワールド・ツーリズム・フォーラム)
1994年11月 アティーヤエネルギー・工業相(日・GCC民間合同会議)
1994年12月 アティーヤエネルギー・工業相
1995年12月 アティーヤエネルギー・工業相、ナイーミー法相
1996年9月 アティーヤエネルギー・工業相
1997年10月 アティーヤエネルギー・工業相(外務省賓客)
1997年12月 ハヤリーン自治農業相(COPIII出席)
1998年11月 アティーヤエネルギー・工業相
1999年4月 ハマド首長(公式実務訪問)、ムハンマド副首相、ハマド外相、アティーヤ首長府長官、アティーヤ・エネルギー工業・電気・水相、ハジャル保健相随行
1999年11月 アティーヤ・エネルギー・工業・電気・水相
2000年6月 カマール財政・経済・通商相(小渕前総理葬儀参列)
2000年11月 アティーヤ・エネルギー工業・電気・水相
2001年10月 モーザ首長妃、アティーヤ・エネルギー・工業相
2002年4月 カマール財務相
2002年9月 アティーヤエネルギー・工業相(第8回IEF参加)
2003年10月 アティーヤ第二副首相兼エネルギー・工業相
2004年6月 ハマド・ビン・ジャーシム第一副首相兼外相(外務省賓客)
2004年10月 アティーヤ第二副首相兼エネルギー・工業相
2005年3月 アティーヤ第二副首相兼エネルギー・工業相(愛・地球博オープニング出席)
2005年6月 ハマド首長・モーザ同首長妃(公式実務訪問)、ハマド・ビン・ジャーシム第一副首相兼外相、カマール財務相、ムハンマド経済通商相随行
2006年8月 アティーヤ軍参謀総長
2006年11月 アティーヤ第二副首相兼エネルギー・工業相(第1回日本・カタール合同経済委員会)
2007年5月 ガーネム諮問評議会議員
2007年8月 サウード・カタールオリンピック委員会副総裁
2007年11月 アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相(第2回日本・カタール合同経済委員会)
2008年10月 アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相(第3回日本・カタール合同経済委員会)
2009年2月 アブドッラーカタール国軍総司令部准将・国際協力長
2009年4月 アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相(第3回アジアエネルギー産消国閣僚会合)
2009年5月 タミーム皇太子(公式実務訪問賓客)、アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相、アティーヤ国際協力担当国務相随行。
2009年11月 アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相(第4回日本・カタール合同経済委員会)
2009年12月 アティーヤ国際協力担当国務相兼ビジネス通商相代行(第1回日・アラブ経済フォーラム)
2010年9月 アティーヤ副首相兼エネルギー・工業相(第5回日本・カタール合同経済委員会)
2011年4月 アティーヤ国際協力担当国務大臣
2011年6月 アティーヤ国際協力担当国務大臣(ミレニアム開発目標フォローアップ会合)

6.二国間条約・取極

航空協定(1998年) 航空協定付属文書の改定(2004年及び2009年)

国際運輸業所得の相互免除取極(2009年)

7.外交使節

(1)門司健次郎特命全権大使

(2)ユセフ・モハメド・ビラール特命全権大使