スウェーデン王国
(Kingdom of Sweden)

出典:外務省 各国・地域情勢(2011年7月現在)

一般事情

1.面積

約45万平方キロメートル(日本の約1.2倍)

2.人口

約940万人

3.首都

ストックホルム(市人口約84万人、都市圏は約200万人)(2010年)

4.言語

スウェーデン語

5.宗教

福音ルーテル派が多数

6.略史

年月 略史
1100年代 王国として統一始まる
1630-1648年 ドイツ30年戦争に介入、ウェストファリア条約で大国の地位確保
1814年 ナポレオン戦争後、キール平和条約締結。以降非同盟・中立政策
1946年 国連加盟
1995年 欧州連合(EU)に加盟

政治体制・内政

1.政体

立憲君主制

2.元首

カール16世グスタフ国王(1973年9月即位)

3.議会

一院制(349議席 任期4年)

4.政府

非社民連合4党連立政権(2006年10月成立、2010年10月再任)

(1)首相 フレーデリック・ラインフェルト(穏健党党首)

(2)外相 カール・ビルト(穏健党)

5.内政

2010年9月に行われた総選挙では、与党中道右派連合(穏健、自由、中央、キリスト教民主4党)が2008年以降の経済危機に適切に対応したとの実績を背景に野党連合(社民、環境、左翼3党)を上回り政権を維持した。但し、与党連合の議席数が過半数に至らなかったこと、移民規制強化を唱えるスウェーデン民主党が初めて国会に議席を獲得したことから、安定した政権運営が課題となっている。

外交・国防

1.外交基本方針

(1)外交基本方針

(イ)積極的なEU政策の推進
(ロ)軍事非同盟政策の維持
(ハ)PKOを含む国連との協力を重視
(ニ)北欧・バルト諸国との協力推進

(2)EU

1995年のEU加盟後、現在ではEUをスウェーデン外交における最も重要なツールと位置付け活発なEU外交を展開している。2009年後半にはEU議長国を努め、経済・金融問題や気候変動問題への対応を最重要課題としてこれらに積極的に取り組むとともに、リスボン条約発効に伴うEUの新たな体制への移行を円滑に進めた。

(3)軍事非同盟政策

(イ)19世紀のナポレオン戦争以来、戦争に参加せず、「戦時の中立を目的とする平時の軍事非同盟」を外交政策として設定している(NATO非加盟)。
(ロ)軍事非同盟政策を維持しつつ、欧州安全保障協力機構(OSCE)、NATOの平和のためのパートナーシップ(PfP)、EUの欧州安全保障防衛政策(ESDP)を通じて、欧州の新たな安全保障秩序構築に向けた動きに参画。

(4)国連との協力、地域協力等

(イ)国連との協力を重視。特に、PKO活動に積極的に参加しており、軍縮、人権、環境問題等にも貢献していく方針をとっている。
(ロ)北欧・バルト地域における民主主義、安全保障、開発のための協力、北欧理事会、バルト海沿岸諸国評議会等の枠組みを通じた協力を推進している。また、バルト3国のEU加盟を強く支持した。
(ハ)スウェーデンの2008年度におけるODA実績は47億3千万ドル(世界第10位)で、対GNI比は0.98%(世界第1位)であった。現政権においては2007年以降、援助対象国を限定するとともに援助の成果を議会に報告するなどして成果重視の援助に努めている。

2.軍事力

(1)防衛費 約403億クローナ(2010年)、約406億クローナ(2011年)

(2)兵力 陸軍7.3千人、海軍3.4千人、空軍3.7千人

経済(単位 米ドル)

1.主要産業

機械工業(含:自動車)、化学工業、林業、IT

2.GDP

4,558億ドル(2010年、IMF)

3.一人当たりGDP

48,875ドル(2010年、IMF)

4.経済成長率

5.5%(2010年、IMF)

5.物価上昇率

2.1%(2010年、IMF)

6.失業率

8.4%(2010年、IMF)

7.総貿易額

(1)輸出 1580億ドル

(2)輸入 1,484億ドル

(2009年、国連統計)

8.主要貿易品目

(1)輸出 石油精製品、電気通信機器、自動車

(2)輸入 石油、自動車及び部品

9.主要貿易相手国

(1)輸出 EU(27ヵ国)、ノルウェー、米国、中国

(2)輸入 EU(27ヵ国)、ノルウェー、露、中国

(2009年、ユーロスタット)

10.通貨

クローナ(1クローナ=約12.5円(2011年6月現在)

11.経済概況

(1)経済情勢
世界経済の低迷を受けて、スウェーデン経済は2009年には▲5.3%のマイナス成長に陥ったが、低金利政策や減税の効果をもとに企業・家計部門とも回復し、2010年は5%を超える高い経済成長となった。

(2)雇用情勢
2009年には業績が低迷した製造業を中心に整理解雇が相次いだが、2010年春以降新規求人数は増加し、失業率は低下の傾向にある。しかし、その水準は未だ高く、2011年5月の失業者数(学生・雇用訓練中の者を含む)は39.5万人で、失業率は7.9%に達している。

(3)財政金融政策
2011年の予算は、「危機から十分な雇用へ(From crisis to full employment)」と題し、雇用、教育、福祉、環境を主要課題として130億クローナの追加施策を実施する内容。経済は好調なものの今後の経済情勢を楽観視せず、慎重な予算となっている。2011年4 月に国会に提出された春期財政政策提案(今後3年間の歳出総額等を決定するもの)においては、一般政府財政収支(対GDP比)は2010年には▲0.3%であったが、2011年には黒字化(0.3%)し、その後も改善することを見込んでいる。中央銀行は金融危機を受けて0.25%まで引き下げていた公定歩合を2010年7月以降数次にわたり引き上げ、2011年4月には1.75%とした。今後も徐々に引き上げていくことが必要としている。

(4)政府経済見通し

2010年 2011年 2012年 2013年
GDP成長率(市場価格) 5.5% 4.6% 3.8% 3.6%
失業率(16〜74歳) 8.4% 7.3% 6.6% 5.8%
消費者物価上昇率 1.2% 2.5% 2.0% 2.8%
財政収支(対GDP比) ▲0.3% 0.3% 1.8% 2.8%

(出典:スウェーデン財務省(2011年4月))

二国間関係

1.政治関係

(1)皇室・王室関係
カール16世グスタフ国王陛下は公式・非公式合わせて13回来日しており、2007年3月には国賓として訪日された。天皇皇后両陛下は2000年5月及び2007年5月に公式訪問された。2010年6月には皇太子殿下がヴィクトリア皇太子殿下御成婚式典出席のため訪問された。

(2)首脳レベルの交流

(イ)2004年3月、パーション首相が来日
首脳会談では、双方向の観光・投資促進、ITや福祉分野における協力等を含む二国間関係に加え、北朝鮮、イラク、国連改革等の国際情勢についても話し合われた。
(ロ)2006年5月、小泉総理がスウェーデンを訪問(我が国総理の初訪問)
首脳会談では、日・スウェーデン両国は、国内では高齢化対策、国際的には平和、人権、開発など先進国として共通の課題に直面しているとの認識の下、二国間および国際社会において友好協力関係を発展させていくことで一致し、エネルギー問題、国際情勢、国連改革等についても話し合われた。
(ハ)2008年4月、ラインフェルト首相が来日
首脳会談では、良好な二国間関係を確認したほか、平和構築分野の人材育成において協力関係を更に強化していくこと、また気候変動問題において、我が国が2008年G8議長国となり、スウェーデンが2009年後半にEU議長国を務めることを念頭に、両国が引き続き緊密に協力していくことで一致した。そのほか、北朝鮮や中国などの地域情勢及び国際的課題等についても話し合われた。

2.経済関係

(1)日本との二国間貿易

(イ)貿易収支
二国間の貿易上の障害となる懸案はなく、基本的に良好。二国間の貿易は、1993年以降基本的に日本の入超が続いていたが、2008年はスウェーデンの入超となった。
スウェーデンへの輸出 スウェーデンからの輸入 収支
2005年 2,162 2,390 -229
2006年 2,148 2,575 -427
2007年 2,311 2,636 -325
2008年 2,279 2,161 118
2009年 1,350 1,580 230
2010年 1,608 1,812 -205

(単位:億円、出典:財務省貿易統計)

(ロ)主要貿易品目(2010年)
輸出(日本→スウェーデン) 輸入(スウェーデン→日本)
上位品目 金額 シェア 上位品目 金額 シェア
自動車 363 22.6% 木材 223 12.3%
映像機器 117 7.3% 通信機 209 11.5%
有機化合物 95 5.9% 医薬品 169 9.3%
科学光学機器 51 3.2% 科学光学機器 124 6.8%
自動車部分品 50 3.1% 自動車 109 6.0%

(単位:億円、出典:財務省貿易統計)

(2)日本との投資関係

(イ)日本の対スウェーデン投資
スウェーデンに進出している日系企業数は約66社(2009年度/出典:東洋経済新報「海外進出企業総覧」)。近年では情報通信(IT)や医薬品などの高付加価値分野を中心に、スウェーデンの高い技術力に着目した企業間提携や企業買収などのビジネスの動きが見られる。2009年末、日本からスウェーデンへの直接投資残高は2,363億円。
(ロ)スウェーデンの対日投資
国際的に事業を展開する大企業が多いスウェーデンからの対日投資は、日本への製品輸出の販売網形成の目的が多い。2009年末、スウェーデンから日本への直接投資残高は674億円。
(ハ)日・スウェーデン間の直接投資実績(フロー)
日本の対スウェーデン投資金額 スウェーデンの対日投資金額
2005年 94 △72
2006年 △483 778
2007年 295 429
2008年 587 93
2009年 171 △91
2010年 △551 5

(単位:億円、出典:日銀国際収支統計)

注※ネット・フロー:資本撤退や投資回収を含む。マイナス数値は引揚超過を表す。

3.文化関係

(1)スウェーデンでは瑞日基金や瑞日協会等が活動を行っている。1992年9月にはストックホルム商科大学に欧州日本研究所が開設され、2001年5月には日本学術振興会ストックホルム研究連絡センターが開所した。

(2)近年、スウェーデンにおいては、J-POPやアニメ等の日本のポップカルチャーを中心とする現代文化に対する関心が高まっている。

4.在留邦人数

3,183人(2010年10月1日現在)

5.在日当該国人数

1,600人(2009年12月31日現在の外国人登録者数)

6.要人往来

(1)往(2000年以降)

年月 要人名
2000年5月 天皇皇后両陛下(公式訪問)
2001年1月 河野外務大臣
2001年9月 森山法務大臣
2002年8月 坂口厚生労働大臣
2002年9月 遠山文部科学大臣
2002年12月 遠山文部科学大臣(ノーベル賞式典招待)
2003年4月 細田科学技術政策担当大臣
2004年1月 竹中金融・経済財政政策担当大臣
2004年5月 茂木科学技術政策担当大臣
2005年12月 小坂文部科学大臣
2006年5月 小泉総理大臣
2007年5月 天皇皇后両陛下
2008年12月 塩谷文部科学大臣
2009年5月 野田内閣府特命大臣
2010年6月 皇太子殿下(ヴィクトリア皇太子殿下御成婚)
2010年12月 高木文部科学大臣

(2)来(2000年以降)

年月 要人名
2000年3月 イエルムヴァレーン副首相
2001年4月 ラーション環境相、カール16世グスタフ国王陛下
2001年7月 イエルムヴァレーン副首相
2001年10月 ヴィクトリア皇太子殿下
2001年12月 シルヴィア王妃陛下
2002年3月 エステロース教育科学相(バイオミッション)
2002年6月 メッシング産業・雇用・通信担当相(W杯観戦)
2003年3月 ソンメスタード環境相
2004年3月 パーション首相
2004年11月 ニークヴィスト農業・食料・漁業相
2005年4月 ヴィクトリア皇太子殿下(博覧会賓客)、エストロース産業・雇用・通信交通相
2005年5月 フレイヴァルス外相(ASEM外相会合)
2007年3月 カール16世グスタフ国王王妃両陛下(国賓)、ビルト外相、ヘッグルンド社会相
2007年6月 トシュテンソン・インフラ担当相
2007年10月 カール16世グスタフ国王陛下
2008年1月 レイヨンボリ教育・研究相
2008年4月 ラインフェルト首相(実務訪問賓客)、カールグレン環境相、ビョーリング通商担当相
2009年3月 カールグレン環境相、ラーション高齢者ケアー担当相
2010年5月 ヴェステルベリ国会議長(衆議院議長招待)
2010年10月 カールグレン環境相(生物多様性条約COP10)
2011年1月 アスク法相

7.二国間条約・取極

航空協定、租税条約、請求解決に関する取極、査証免除取極、司法共助取極、通商航海条約、科学技術協力協定