FTから 珠江デルタで労働力不足

(出典:日経金融 9月10日)

 外資系メーカーが集中する珠江デルタ地域での労働力不足について、中国政府は、労働条件の悪さが原因という見解を示した。
 労働社会保障省の報告書によると、低賃金、賃金支払いの遅延、劣悪環境での長時間労働が見受けられるという。200万人の労働力が不足ししており、福建省等で深刻。
 珠江デルタには、靴、工作機械、エレクトロニクスなど低付加価値産業が多く、中心地の広州の最低賃金は月給510元(62ドル)と内陸部の貧困地域より低い。広東省の工業団地、東完では、さらに低く450元。深センでは、調査した653社のうち約40%に賃金支払い遅延があった。

 広州周辺は、上海以上に裕福な地帯として知られている。深センなどの都市が工業化して、職が沢山あり、わざわざ他の地域や海外まで出稼ぎにいく必要がないと言われていたが、実態は、違ってきたようだ。
 地方においても、内陸部に進出する企業が増えて、就業機会が地元でも多くなり、低賃金の労働集約型企業は、さらに内陸部や西部に移転しなければならないようだ。