GE系金融37億円申告漏れ 国税局指摘 融資利益を米国移転

(出典:日経朝刊 1月4日)

 GEグループのノンバンク「GEキャピタル」(GEC)子会社(米国)の日本支店が東京国税局の税務調査を受け、2003年12月期までの2年間で、約37億円の申告漏れを指摘されていたことが4日分かった。申告追徴税額は過少申告加算税を含め約8億円とみられる。
 同国税局は、同支店が高利の融資で得た利益を保証料名目でGECに移転、所得を圧縮していたと認定したもようだ。申告漏れを指摘されたのはGEC子会社「ジー・イー・キャピタル・インターナショナル・ファンディング」の日本支店(東京都港区)。
 関係者によると、同支店は本社がGECの債務保証を受けて投資家から低利で調達した資金をGEグループが買収した消費者金融「ほのぼのレイク」の運営会社に融資し、一方、GECに対しては本社を介して資金調達の際の保証料を支払っていたという。しかし、同支店が消費者金融の運営会社への融資の際に設定した金利は通常より高かったうえ、GECへの保証料も割高だったという。
 国税局は、グループの消費者金融事業による利益が、高く設定された金利によって始点に還流した後、割高な保証料名目でGECに移されたと認定した。
 支店が日本で申告すべき所得が圧縮されたと指摘したと見られる。

 新聞記事だけからは、課税の内容の推測が難しい。
 記事のなかで、金利は通常より高いとあるが、そもそも通常の金利とはいくななのか把握が難しいのではないのか。保証料も割高だったとあるが、そもそも適正な保証料とはいくらなのか把握が難しいのではないのか。
 巷間、金融庁が金融機関に通常のまともな企業に対する金利を、信用リスク等から4〜5%程度に設定するように指導していると聞く。また、債務状況の悪い企業に対しては2桁以上の金利を付することも容認しているようだが、現実にはそのとおりに社会は動いていないようだ。 以前、米銀の平均的な貸付利益は4-5%との新聞記事があったが、金融庁の指導がそのとおりだとすると、それほど米国での現実とかけ離れた金利ではないことになる。
 いずれにしても、この種の金融の事案について、課税上のコンフリクト、ストレスをなくすためには、当局が、一定のゾーン(セーフハーバー)を設けて、その範囲であれば、問題としないという体制が望ましいのではないか。
 この種の事案の裁判例が増えることによって、経験則が積み重ねられるものと思うが、この事案は、不服申立て等をしたのであろうか。