武富士元会長長男 1300億円追徴取り消し 東京地裁「海外居住」を認定

(出典:日経朝刊 5月24日)

 消費者金融大手「武富士」の元会長夫妻から海外法人株の生前贈与を受け、約1600億円の申告漏れを指摘された長男(41)が国税当局を相手取り、約1300億円の追徴課税処分の取り消しを求めた訴訟の判決が23日、東京地裁であった。
 鶴岡裁判長は、「贈与時、原告は海外に生活拠点があり、当時の税法では課税できない」と判断し、課税処分を取り消した。

  最近の傾向としては、地裁で国側敗訴、高裁で納税者敗訴の場合が多い。
 租税回避を前面に打ち出した地裁での裁判は、冷静な判断で海外に居住が認定された。判決を読んでいないのでわからないが、通達でもわかるように、所得税法と相続税法での、居住性の判断には大きな違いがある。
 多分、所得税法的な判断だと地裁の判断が正当なのだろうが、相続法的な判断だとどうなのか。当初に新聞記事でも書いたことだが、国側が、所得税法と相続税法の現行の通達の違いを合理的に説明できるかではないかな、と思う。
 高裁の判断が待たれるところである。