ストックオプションの問題点

(平成14年7月19日)

 日経金融新聞の平成14年7月18日の「View」で、元FRB副議長のアラン・ブラインダー氏が、ストック・オプションの問題点を次のとおり経営陣が無傷である点を説明している。

前提
 例えば、経営トップは利益率の改善よりも事業の拡大に走りやすく、給与の引き上げや役職に付随する種々の特典の拡大を求めるのが一般的。一方、株主は株価が上がることしか関心を示さない。
 そこで、考えられたのが経営幹部の報酬をストックオプションで埋め合わせる方式である。こうすれば、経営者と企業オーナーである株主を利害を密接に結びつけられる。
問題点1
 相場の上昇過程では、ストックオプションによって相当な利益が経営者に与えられるが、下降場面では、株主は損失は蒙らざるを得ないのに、経営陣は無傷である。
 さらに、一部の企業が採用している株価がある程度下がるとオプション価格が引き下げられるというオプション価格の再設定という方式では、まるで経営判断の誤りに対しても報酬を提供していることになる。
問題点2
 オプションは、短期間でもよいから株価を吊り上げ、現金化してしまおうという強いインセンティブを経営トップに与える。その一つの結果が、手心を加えられた企業業績であり、続々と明るみにでているスキャンダルである。
問題点3
 オプションの付与は、企業の財務報告書では、費用として計上されていないので、オプションを多用する企業では、実際よりも利益がかさ上げされることになり、投資家に誤解を与える。

税務の疑問
 米国でのストックオプションの費用を日本子会社等にチャージしていると聞くが、以上のように費用となっていないのに、損金とする根拠はなんなのだろうか。